私は早起きです。
毎朝4時半に起きて、会社には就業の2時間前には到着している。
誰もいないオフィスの空気が好きだ。
静けさの中で、冷たい麦茶を一杯。給茶機から注ぐそのひと口が、今日の始まりの合図になる。
それから私は、曲がっているものをまっすぐに整え、
傘立ての傘をきれいにたたみ直し、
事務所の入口に落ちている葉も拾っておく。
誰も気づかない。
「お疲れさま」も、「ありがとう」も、言われることはない。
でも――私は、満足している。
たったそれだけのことだけど、
不思議と気分がよくなる。
心がすっと整って、今日も健やかに一日が始まる。